2008年12月13日土曜日

田中優子のカムイ伝講義


田中優子(2008)『カムイ伝講義』小学館、を読んだ。田中優子(http://ja.wikipedia.org/wiki/田中優子)はご存じ江戸学者で、江戸ブームを作った人だ。どちらかというと町人の文化を中心に興味を持っている人かと思ったが、カムイ伝を通し、農民、武士(そしてカムイの出自である、えた、非人階級)の生きざま、世界経済・社会、そしてそのような背景で生きて、死ぬということも含め、深いテーマを解説している。

思えばカムイ伝とは小学校から(ませていたので)、高校にかけて読んだ気がする。解説も多く、わかりにくいところもあったが、筋の展開だけでなく、生きていく登場人物たちの力とエネルギーに引きつけられてのかもしれない。大学で寮生活していた友人が全巻持っていて、夢中になって読み返したこともあった。

それが今、田中優子の解説を通じ、背景も含め、そうだったのかと、振り返ることができた気がする。カムイ伝、田中優子のカムイ伝講義、そして、佐倉の国立歴史博物館、この3点セットはお勧めだ。

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